2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

G.I.D.#1(庄司陽子)

性同一性障害(Gender Identity Disorder)を取り扱った作品。誰でも大なり小なり、異性に対する憧憬の念はある。しかし、私も含め多くの人は「まず心ありき」ではなく、「まず肉体ありき」で、精神がそれを受け入れているのではないだろうか。自分の肉体的…

Change of pace

私は主に平日の昼間にblogを更新している。勤務時間の半分程度はWEB常時接続のPCの前に居るのだから、プライベートではあまりPCにさわりたくないのだ。非喫煙者の私は煙草休憩も取らないのだから、WEBで気分転換くらいしてもバチは当たるまい。同様にいつも…

国境の南、太陽の西(村上春樹)

村上作品の八割方を読み終わり、あまり有名ではない本作を手にした。本作の内容を端的に言うと、三人の女性との関わりを懐古し、悶える37才妻子持ち男性の話である。 登場する女性は 島本さん:初恋だけど結ばれなかった理想の女性 イズミ:思春期に恋愛し、…

Omaezaki

今日は仕事で影と一緒に御前崎。昼飯は御前崎海鮮なぶら市場*1で鮪丼、イクラ丼。観光客相手って感じでイマイチ。 食後は名物なぶらドーナツ。シラス入りと桜エビ入り。確かに味がする。確かに。でも、もう要らないw 何かパンチが足りなかったためさらにシラ…

活断層とは何か(池田安隆/島崎邦彦/山崎晴雄)

学生時代に読んだ本がブックオフの100円コーナーにあったので、とりあえず救出して我が家に連れ帰った。そこかしこに読み覚えがあるのだが、読んだ当時よりも沢山の収穫があった。きっと、学生時代には全部を理解していなかったのだ。同じ本でも、自分の居る…

Seven enemies

「男は外に出れば七人の敵がいる」と言う。今時敵はそうそう居ないとしても、何処で屍を晒したり、医者の世話になったりするか分からないし、夜の街ではいつ下着姿にならなければならない羽目に陥るか分からない。そう考えると「いつでも勝負下着」とまでは…

シグルイ#6(南條範夫/山口貴由)

『駿河城御前試合(南條範夫)』原作の残酷剣豪漫画。小説を原作とする時代漫画は数あれど、その多くは絵を添えただけの絵物語に過ぎない。しかし本作は荒唐無稽な内容を圧倒的描写力で描ききる。挿絵を越え、原作と作画の相乗効果を産んでこそ名作を越え、…

Throughput

学生の頃、指導教官から「ゼミ発表や学会発表を聞いたら、必ず質疑応答の際に適切な質問をしなさい」と言われた。聞いているだけでは身に付かないから、あら探しするくらいのつもりで聞けと言う教えだ。そして、 質疑応答の際に適切な質問の出来る人は教官に…

ワイルド・スピードX2

突っ込みどころ満載だけど、おばかアクションエンターテインメント映画なのだからそれを言うのは野暮。ヒップホップとかぶるであろうアメリカの郊外型有色人種低所得者層の文化・風俗が学べる。日本ではスポーツ系車のチューンとドレスアップ系は別れちゃっ…

No-read person

先日、ダーツバーのカウンターで文庫本を読んでいたら、ある人に「矢野さんて本読む人なんですね」と言われた。他人をデジタルに「本読む人/本読まない人」と区分すると言うことは、その人の周囲には(もしかするとその人も含めて)「本をまったく読まない人…

伊庭征西日記 徳川直参の生き様と明治維新(森田信吾)

読み進めると見知ったエピソードばかりなので、『幕末遊撃隊(池波正太郎)』が原作かと思いきや、原作者名のクレジットがない。すわパクリか?といぶかしんだが、本書も『幕末遊撃隊』もどちらとも『征西日記(伊庭八郎)』を下敷きにしているのね。 「伊庭…

Knockout robber

私が学生だった頃の話。 私が通っていた大学は、開発途上の多摩ニュータウンに移転したばかりで、都市計画によって公園や緑地が豊富に配置されていたばかりでなく、まだまだ大学の周辺には空き地が多く広がっていた。 私を含め、身近な理系大学院生は、昼前…

大市民日記#1(柳沢きみお)

小市民ならぬ「大市民」として、作者の分身である主人公が自らのこだわり、ライフスタイルについて語る一冊。所々で主人公が社会に対して爆発させる怒りは、最初期の『ゴーマニズム宣言(小林よしのり)』を彷彿とさせる。しかし、あくまでも好みと問題とし…

Loving something

その対象のもっともしょうもない部分も含めて好きで愛せないと、何かを好きだとか、愛しているとか言えないのではないだろうか。例えば、私は不潔で躾のなっていない犬猫や子供は苦手で、清潔で躾が行き届いている場合に限って、犬猫や子供が好きだ。しかし…

プロデューサーズ

元々舞台ミュージカルを映画にしたとのことだが、舞台作品を映画化した場合に良く見られる大阪的こてこて感たっぷり。あか抜けない感じが何ともいやはや。主演のネイサン・レインは日本で言えば西田敏行的な俳優なのか。あか抜けない女優を演じていたユマ・…

Night sky after rain

水曜日、静岡市街の映画館は「メンズサービスデイ」で鑑賞料金が1000円になるので街に出かけた。ゲイのカップルにはいいイベントだ。映画を観る前に近くのコンビニでジャスミンティーのペットボトルとじゃがりこを買ったら、レジのおばちゃんが「お兄さんい…

宇宙世紀科学読本 -スペース・コロニーとガンダムのできるまで(永瀬唯)

ガンダムの宇宙世紀世界を題材にした二足歩行ロボットやコロニーに対する科学読本。身近な題材を用いて科学を啓蒙した作品には、名著『ロウソクの科学(ファラデー)』や、名随筆『茶碗の湯(寺田寅彦)』などが挙げられる。私にとっても、今の若者にとって…

Aide-memoire

私の日記やレビューを読んでいる方はお気づきのことと思うが、最近おたく心が再燃している。「おたく?」と呼ばれるのと「欲求不満?」と言われるのとどちらが不名誉なのかしらん?今日も備忘録代わりにおたく的雑感を。 シャアザク 知らぬ間に「バンダイ HY2M…

ファイブスター物語#12(永野護)

80年代おたくにとって聖書とも言える大河神話漫画。 連載開始から20年で12巻と言うことは大体600日で一冊の計算になる。しかも、この12巻は11巻が出てから3年も経ってから出ている。27年で107巻の『グインサーガ(栗本薫)』を見習って貰いたいものだ。それ…

Agguy

大半のガンダマーは、アッガイを『機動戦士ガンダム』の第30話「小さな防衛戦」の回に出演したゲストモビルスーツだと思っているが、これは誤りで、本来は『機動戦士アッガイ』の主人公アカハナが乗る主役モビルスーツである。 詳しくは ここを参照。 『機動…

チェーン・スモーキング(沢木耕太郎)

エッセイ集。沢木耕太郎と言えば、我々の世代のバックパッカーにとってのバイブル『深夜特急』が代表作である。ノンフィクションライターの技量を持って綴られるエッセイは、情緒的な内容を精緻な筆で描かれている。 本作中の一編「シナイの国からの亡命者」…

In spring one sleeps a sleep that knows no dawn.

「春眠暁を覚えず」とは良く言われることだが、医学的にもそれなりに根拠はあるみたいだ*1。他にも、冬眠していた頃の名残だとか、諸説有るが、個人的には「繁忙な年度末が終わって疲労が蓄積しているし、一段落したからゆっくり寝ていられる」ことが一番大…

正しい保健体育(みうらじゅん)

性教育を主体としたみうらじゅん流保健体育の教科書。「男の価値はサオではなくフクロで決まる」とは名言だが、どちらにせよ股間でしか男の価値は決まらないのだろうか。苦笑しながらも頷けること多し。性教育に対するパロディーの呈を装っているが、みうら…

Decline of fever

ダーツを始めてから丸15ヶ月程経ったが、どうやらダーツ熱が冷えてきたようだ。 元々ダーツでは生命の危険が無いから、私の好きなアドレナリンは分泌されず、習得や勝利に伴うβ-エンドルフィンが主たる快楽物質だった。しかし、最近ではダーツの腕前が頭打ち…

Vigil

某所で深夜から早朝にかけて、道路を掘って地質を調べていた。 高校〜大学時代は良く流星観測で徹夜していたし、大学時代は良く徹夜で遊んでいたし、大学院時代は良く研究室で朝まで過ごしていたし、5〜6年前に車で峠を攻めていた時にも金・土曜日は良く朝ま…

アトモスフィア#1(西島大介)

表題のアトモスフィア(atmosphere)は気圏を意味し、リソスフィア(lithosphere):岩石圏やアセノスフェア(asthenosphere):岩流圏と区別される、と学生時代に教わった。こんな地球科学用語を表題に用いているし、SFの老舗早川書房から出版されているし…

The next day

昨夜ちゃんとうがいしてから寝たにもかかわらず、今朝も喉が痛い。統計的に20〜30代男性の喫煙率は50%強、20〜30代女性の喫煙率は20%強なのだが、ダーツバーでは男女共に90%を越えている感じ。遊びに行って健康被害を被って翌日まで嫌な気分になるようでは、…

Result

NDAJ静岡リーグの最終戦があり、私個人では出場した6ゲーム全敗、チームでは15ゲーム全敗との大敗を喫し、DivisionAぶっちぎりの最下位で今節を終了した。8試合全敗で、120ゲーム中26勝だから、勝率は約22%。 我がチーム鷹の目は下部リーグとの入れ替え戦に…

生と死の分岐点 -山の遭難に学ぶ安全と危険(ピット・シューベルト)

豊富なバックデータに基づいて山岳事故を検証し、追試し、紹介する山岳事故の事例紹介書。 ドイツ人と言えば、粘着質の職人気質を想像するのだが、本書は、その職人気質が良い方向に発揮された良書。山岳事故の原因は、天候の不順や不運など、天災的なもので…

Aphorism

格言は、その内容ではなく、 誰が言ったか その時の自分にとって必要な言葉かどうか でその人にとっての価値が決まる。 最近心に留まったのはラッセル・ラインズの以下の言葉。 悪口を最も優雅に受け止めるには、無視すればいい。 それができなければ凌駕す…