アトモスフィア#1(西島大介)

表題のアトモスフィア(atmosphere)は気圏を意味し、リソスフィア(lithosphere):岩石圏アセノスフェア(asthenosphere):岩流圏と区別される、と学生時代に教わった。こんな地球科学用語を表題に用いているし、SFの老舗早川書房から出版されているしで、ハードSFを期待して本書を購入したが、とりあえず1巻の内容は科学的とは言えない。
本来は小説として緻密に構築していくべき世界を漫画で表現している。西島の絵柄は情報量が少ないため、一冊の本から伝わってくる情報量がとても少ない。ライトでポップな絵柄は、凄惨な内容を救ってくれるが、本書は内容自体が薄いため、軽薄さを助長している。
SFショートショート的な内容を展開するために単行本2冊を要するつもりなのだろうか。

アトモスフィア〈1〉 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

アトモスフィア〈1〉 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)