COMICS

闇金ウシジマくん#3(真鍋昌平)

闇金融漫画。 日常生活に隣接する世界でのピカレスクロマン。 真鍋昌平も上手くなったものだ。 画も上手くなったし、構成も手慣れてきた。 毒もオリジナリティーも持ち合わせながら、十分に面白い作品に仕立て上げている。 さすがはスピリッツ編集部。 しか…

大奥(よしながふみ)

よしながふみ作品は『西洋骨董洋菓子店』以来の購入。 時代劇まんがのような装丁だが、内容は「男女逆転大奥」とのSF。 史実を前提にしながらの仮想物は最近の流行なのかとも思うが、『高い城の男(P.K.ディック)』など古典SFの名作があるから、今に始まっ…

性別が、ない! (新井祥)

久々に表紙買い。 主要漫画誌はほぼ全て網羅してチェックしてるつもりだが、さすがに「本当にあった笑える話」なんて雑誌までは手が及ばなかった。 中身は、遺伝子異常で男〜女の間を推移する半陰陽の作者のエッセイ4コマ漫画。 「面白い」と言うのとは少し…

御用金、烈顧記他(平田 弘史)

ここ30年程の大多数の漫画を読破した一漫画ファンとして、平田弘史は、最も好きな漫画家の一人であり、それを広言するにはばからない。 最近、平田作品の復刻が相次いでいることは1平田ファンとして嬉しいが、反面、孤高の漫画家であった平田の良さがはたし…

秘密の新選組#1(三宅 乱丈)

「優れたSFは一つの大きなフィクション(嘘)を大前提に、緻密なディティールでシミュレーションするものだ」と言うが、「新選組幹部にいきなりオッパイが出来たら」なんてのは明らかにお馬鹿の領域である。掲載紙が「マンガエロティックF」であり、連載開始…

HUNTER×HUNTER#22(冨樫義博)

ハンター漫画。著者コメントに「ジャンプと併せてお楽しみいただければ幸いです」とあった。たしかに本誌のラフ画状態と、コミックでペン入れした状態とを比較するとの楽しみ方もあるだろうが、本人がそれを言っちゃおしまいだろ。中身は相変わらず一級であ…

アイシールド21#14(稲垣理一郎/村田雄介)

アメフト漫画。トーナメントはまだまだ続き、カタルシスも持続している。作画の村田雄介が楽しんで描いているのが読者にも伝わり、幸せな気分になれる。正統派スポーツ漫画で、今が旬。アイシールド21 14 (ジャンプコミックス)作者: 稲垣理一郎,村田雄介出版…

DEATH NOTE#7(大場つぐみ/小畑健)

心理サスペンス漫画。出来はいい。頑張ってるのも分かる。少年誌でこれがヒットしているのは凄いことだとも思う。でも、もういいだろ。終わらせてくれよ。この踏ん切れ無さがジャンプの芸風だと言えばそれまでだけど。でも、ラオウ死後の『北斗の拳(武論尊/…

げんしけん#6特装版(木尾士目)

おたく学園まんが。裏主人公(?)たる斑目が卒業するも、大学近くに就職することでレギュラーからは外れず。これは、『究極超人あ〜る(ゆうきまさみ)』の鳥坂さんのオマージュなのか。サークル自体に焦点を当て、構成員を流動させるやり方ではそろそろ限界…

駿河城御前試合 -南条範夫原作集#上,下(平田 弘史)

残酷系侍漫画。駿河城御前試合の漫画化と言えば、現在チャンピオンREDで連載中の『シグルイ(南条範夫/山口貴由)』がすぐに思い浮かぶが、平田弘史版は1966〜1967年作とのこと。漫画と言うよりも絵物語(絵の横に本文や台詞が)的な手法を取っている部分も…

キーチ#7(新井英樹)

児童売春告発漫画、と言うか、人間ドラマ。『舞姫舞姫(テレプシコーラ)(山岸涼子)』もそうだが、児童売春する少女が決して美少女ではないというのがいっそ生々しい。このテンションと密度で作品を描き続けられる新井英樹の才能には本当に敬服する。キー…

傭兵ピエール(佐藤賢一/野口賢)

ジャンヌ・ダルク時代の傭兵漫画。フランスは歴史的に傭兵制を採用しており、ナポレオン時代に国民兵制採用の改革があったものの、また傭兵制に戻り、現代でも海外出兵する際は全て傭兵部隊である。そんな中世フランスの傭兵を描いており、テキストでの描写…

皇国の守護者#1(佐藤大輔/伊藤悠)

架空戦記漫画。ライトノベル話題作のコミカライズとのことで、とりあえずおさえておこうと購入したのだが、それなりには楽しめた。ライトノベルはSFとして評価するにはいまいちな作品が多いのだが、エンターテインメント性は高く、若い作家が自由に書ける場…

55歳の地図(黒咲一人)

熟年放浪漫画。作者は往年の中堅漫画家だが、漫画の依頼がなくなり(自称リストラ)、「死場所」を求めて四国八十八箇所巡りに出かける。その体験を綴った作品であるが、似た傾向の『失踪日記(吾妻ひでお)』よりも陰惨である。このような経験を作品に昇華…

のだめカンタービレ#1〜13(二ノ宮知子)

クラシック音楽漫画。『おさなづま(森高夕次/あきやまひでき)』の漫画中漫画である『めぐみのピアノ』のような内容かと思いきや、現代的な漫画。 『めぐみのピアノ』がオマージュしている昔の漫画は、逆境*1の主人公が、努力と根性を頼りにのしあがるスト…

アイシールド21#13(稲垣理一郎/村田雄介)

アメフト漫画。マイナースポーツながら、少年漫画の王道を歩み、ジャンプ漫画の王道でもある「努力、友情、勝利」もきっちり抑えている。連載当初から目を付けていたのだが、アニメ化ですか。スノッブなおたく故に、自分の好きな作品が一般受けするのは痛し…

人斬り(平田弘史)

平田弘史作品は好きなのだが、やはり全てが傑作と言うわけではない。本作品集に特に輝く作品はない。しかし、『座頭市』もそうだったのだが、この『人斬り』も映画と同時に作られている。タイアップと言うか、メディアミックスのはしりと言うべきか。そんな…

失踪日記(吾妻ひでお)

失踪漫画。「消えた漫画家」であった吾妻ひでおが、失踪していた期間の行動をコミカルに綴る。とは言え、内容はディープで、ホームレス生活、アル中病棟での闘病記など。 マニア受けする吾妻だが、私はコミックスを3冊ほど持っているだけで、それほど評価し…

岳みんなの山#1(石塚真一)

山岳漫画。山岳漫画は数有るが、実際に自分で登っている漫画家は少ない。そのため、編集、企画主導であることが多く、ディティールや匂いが山屋っぽくないことが多い。本作は、画力がなく、構成もいまいちであるが、山屋の匂いを感じる。この匂いとは、言葉…

初蜜#4(山田たけひこ)

思春期漫画。「メガネ」「大人」「ラバーフェチ」「トラウマ」「白衣」との属性を持った新キャラを導入することでテコ入れをはかっているのだが、結果はあまり芳しくない。思春期特有の不安定さを出すことに失敗している。心理描写もいまいち、エロもいまい…

死化粧師#3(三原ミツカズ)

エンバーミング(遺体衛生保全)漫画。三原ミツカズの漫画はコンプリートしているのだが、近作は正直面白くないと思っていた。ちなみに、好きなのは『ハッピー・ファミリー』『カトゥル・カール』。本作も3巻目にしてようやく面白くなってきた感じ。主人公の…

監督不行届(安野モヨコ)

おたくおのろけ漫画。『エヴァ』の庵野秀明監督をネタにした、おたく嫁によるエッセイ漫画。この作品中の「カントクくん」こと庵野秀明は憎めない少年の心を持ったおたくなのだが、実際の庵野はもっとダークだろう。天真爛漫なおたくが深い作家性を有してい…

HUNTER×HUNTER#21(冨樫義博)

アクション漫画。コミックスで買う価値のある漫画と言うよりも、週刊連載時に読む価値のない漫画。毎週読んでいるはずなのに、見覚えのないコマが多数。週刊連載時には走り書きネーム状態なのを単行本で大幅に加筆訂正してくる。あの状態で週刊連載を許すな…

DEATH NOTE#5(大場つぐみ,小畑健)

心理戦サスペンス漫画。ジャンプにしては珍しい頭脳物だと思っていたのだが、連載が続くにつけいろんな意味で破綻してきた。「人気故に連載長期化」「伏線や設定の破綻」「それでもとりあえず勢いで毎週読ませる」との要素を考えてみると、この作品もジャン…

おれはキャプテン#1〜6(コージィ城倉)

少年野球漫画。絵柄ははちばてつやの、ストーリーは『キャプテン(ちばあきお)』、『プレイボール(ちばあきお)』の、ノリは梶原一騎のリスペクトと言うか、パクリと言うか。とは言えエンターテインメントは面白ければ勝ちであり、本作は面白いから勝ち。…

プ〜ねこ(北道正幸)

ねこ漫画。単行本で読むと、珍味系の食物を大盛りで食べた気分。少しずつ食べるから口直しに美味しいのであって、一気に大量に食べちゃだめだね。一巻分を続けて読む気もしない。毎月ちょびちょび読むのがほどほどかと。プ~ねこ (アフタヌーンKC)作者: 北道…

おおきく振りかぶって#3(ひぐちアサ)

高校野球漫画。青春群像劇として出来がよい。ただ、これだけキャラとかを広げてしまうと、まとめるのが大変そうだ。長期連載になるか、尻切れトンボになるか。現在連載中の野球漫画で面白いのは、この「おおふり」と「おれキャプ」「ショーバン」の3本かなあ…

π#5〜7(古屋兎丸)

巨乳フェチラブコメ漫画。思春期には嫌いだったラブコメ系の漫画を、最近では楽しめるようになってきた。思春期の葛藤を一歩引いた所から楽しめるからか。それとも、自分の度量が大きくなって来たからか。逆に楽しめなくなってきたのが勧善懲悪系の少年漫画…

π#1〜4(古屋兎丸)

乳フェチ漫画。私は特に巨乳好みではないが、最近仲良しな娘さんには巨乳が多い。やはり今時の娘さんは、私達の世代よりも発育がいいのか。先日同窓会で会った同級生達の乳も大きくなっていたが、それは経産婦であるからか、全体のボリュームアップに伴うも…

彼方より -諸星大二郎自選短編集(諸星大二郎)

諸星大二郎の短編集。10作品中、現在入手不可能な3作品を除いた7作品は全て単行本で持っているため重複。あほらしいが、愛蔵版で買い損ねたからやむなし。内容に新たな感慨はない。諸星大二郎自選短編集 彼方より (集英社文庫(コミック版))作者: 諸星大二郎…