大奥(よしながふみ)
よしながふみ作品は『西洋骨董洋菓子店』以来の購入。
時代劇まんがのような装丁だが、内容は「男女逆転大奥」とのSF。
史実を前提にしながらの仮想物は最近の流行なのかとも思うが、『高い城の男(P.K.ディック)』など古典SFの名作があるから、今に始まったことでない。
「大奥がTVドラマ化されるからそれに便乗したものを」との編集企画を逆手に取って好き勝手しているものだとしたら、新撰組ブームに当て込んだ『秘密の新選組(三宅乱丈)』に通じるものがある。
内容的には「もしも大奥が逆ハーレムだったら」を前提に構築されたドラマとなっている。「男の園」を描くのはBL出身作家であるよしながふみの本領発揮と言うところか。
時代劇好き、SF好きとしては考証の甘さ、画力の無さが目に付くが、単なるエンターテインメント作品としては実験的であり、なおかつ愉快に読める。
本誌で読んでおらず、まだ一巻のみしか読んでいないため、はっきりした評価は出来ないが次巻が楽しみな一冊。
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2005/09/29
- メディア: コミック
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