55歳の地図(黒咲一人)
熟年放浪漫画。作者は往年の中堅漫画家だが、漫画の依頼がなくなり(自称リストラ)、「死場所」を求めて四国八十八箇所巡りに出かける。その体験を綴った作品であるが、似た傾向の『失踪日記(吾妻ひでお)』よりも陰惨である。このような経験を作品に昇華させるためには、表現力と共に客観性がなければならないのだろうが、本作は主観表現に振られすぎている上に、己の内面に対する掘り下げも足りないのではないだろうか。『失踪日記(吾妻ひでお)』と読み比べると面白い。
- 作者: 黒咲一人
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2005/05/19
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (15件) を見る