Proficiency

本日、ダーツについて、某君の日記にコメントしたり、ミッケ君と議論したり、高レベルビリヤードプレイヤーたるK2のマスターの話を伺ったりした。
所詮はBフライトの男の言うことなので、説得力はないかも知れないが、忘れないうちにその話をここにまとめておく。

1.ダーツの上達方法について(総論)

ダーツを上達するためにはどうしたらいいか。
ダーツ上達度は次式で表される

  • D=at

ここに、

  • D:ダーツの腕前
  • a:各個人の上達効率(平均的な人間の上達効率を1とする)
  • t:ダーツに費やした時間(≒投げ込んだ数)

初期値をいくつにするかとか、プレイ時間の間が空くと獲得したダーツの腕前Dが減少するとか、他の要素を加えて複雑な式にすることは出来るが、上式でほぼ近似出来ると思う。
経験的に上達効率aは正規分布をなし、ほとんどの人は0.5〜1.5の間に位置すると考えられる。
私は一般的なダーツァー(週1回以上投げる)と比較して、上達効率0.9だと感じている。
そして、他のスポーツに比べて、ダーツは、このaに対する性差、技術論、トレーニング理論、精神論が与える影響が著しく少ない。
それはダーツがシンプルな競技だからだ。

さて、ダーツの腕前Dを上昇させる(ダーツが上手くなる)ためにはどうしたらいいか。
無論、上達効率aを上昇させると効率が上がるが、時間tが0では意味をなさない。
時間tを増加するのがもっとも効果的で確実なダーツ上達方法であり、その上でaを上昇させる努力をすべきである。

ダーツにおいては、投げ込み量が腕前に直結する。
それを証明するかのように、私は自分より上級者で自分よりも投げ込んでいない人をほとんど知らない。
上級者は投げ込んでいたし、今も投げ込んでいる。
そういうことなんだと思う。
単純だが、残酷な話である。

2.ダーツのトレーニングについて

一般的な競技は、多様な要素から構成されているため、多様なトレーニングが必要である。
例えば、サッカーにおいては、基礎体力確保を始めとし、リフティング練習、シュート練習、ドリブル練習などで基礎技術を高め、ミニゲーム、練習試合などでそれらを総合的にチェックする。また、同時に戦略を徹底させ、連携を高めるなど、頭脳面での修練も重要である。
登山では、基礎体力確保、山行技術の習得のみならず、観天望気、栄養学、救急法、読図まで習得しなければならない。
ダーツと同様に自分との戦いであり、比較的単純なゴルフでさえも、要求される動作、技術は多様であり、戦略、戦術共に多彩であるため、ダーツよりもずっと複雑であり、多様なトレーニングが必要とされる。
多様な動作を必要とする競技においては、その重要度、必要度に応じたトレーニングメニューを作ることが必要であり、その組み合わせによって上達効率aに差が出る。
それに比べるとダーツに求められる動作は「矢を投げる」と言う一つの動作だけなのだから、ここに全てのエネルギーを注力すれば良い。
また、ダーツにも戦略論があるが、他の競技に比べれば著しく単純であり、その戦略論を実行するための精度の方がはるかに重要である。
すなわち、延々とカウントアップをやっていればいいのである。
素振りでも構わないのだが、環境、場所、金銭が整っていれば、カウントアップを行う方が有効だろう。
みんなが日常的にダーツスポットで用いるマシーンと世界大会で用いるマシーンが基本的に同一なのだから、特に変わったことをする必要もない。
そして、カウントアップしか有効なトレーニング方法がないのだから、トレーニングメニューを工夫することによって他人に先んじることは出来ない。

ただ、ビリヤードK2のマスターはこのように言う。

長年、ダーツを横から見てきて分かったことがある。
それは、上級者は身体の芯が動かないと言うことだ。
投げ方は多種多様なのに、である。
逆に初心者、下手な人は身体の芯がぶれる。
ビリヤードにおいても身体の芯を動かさないことは基本中の基本であり、そのために私は今でも出来るだけ歩いて足腰を鍛えている。

体幹を鍛えることは投擲、射的系競技のみならず全ての運動の基本である。

3以降は明日記す。