下流社会(三浦 展)

日本社会が階級社会に変化してきていると言われて久しい。
時間が経つと溶液が分離するように、社会体制が落ち着いてから時間が経つと、人も分離して行くものなのだろうか。
いや、歴史的に見るとこれはもうほぼ確実に社会体制が安定すると、階級社会になって行くんだけどね。
本書では、エキセントリックな造語である「下流社会」をキーワードに二極分化しつつある日本社会を統計的観点から読み解いていく。
統計の母集団が小さいこと、統計的結果の分析に主観、仮説、推測が多いことが欠点ではあるが、日頃抱いていた漠然とした社会観を言語化してくれて快哉
本書はただ分析しているだけであり、下流社会からの脱出方法など指南していない。
下流社会構成員の指標の一つは「本を読まない」ことであると言うから、書籍の中で下流社会からの脱出方法を指南しても無駄だと言うことなのか。
それとも、社会階級と言うものは選べるものではないからなのか。
自分の居場所に悩む方には読むことをおすすめする。
ちなみに、私の居る位置は「ロハス系」らしい。

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)