舞姫(テレプシコーラ)#6(山岸凉子)

バレー漫画。少年漫画の王道が野球漫画だとするのなら、少女漫画の王道はバレー漫画なのだろう。最近の野球漫画では、一歩ひいた大人の視点から客観的に観察した『クロカン(三田紀房 )』 『おれはキャプテンコージィ城倉)』『おおきく振りかぶってひぐちアサ)』などが流行っているが、この作品も、同様に一歩ひいたところから客観的に観察している。勢いは足りないが、丹念な描写、明快な説得力から、バレーを知らない読者でも十分面白い。同じバレー漫画でも、勢い重視の『昴(曽田正人)』や情念の塊のような『スワン(有吉京子)』とは対極的な構成。漫符となってきた絵柄と共に山岸凉子の熟成を示す。今、一番面白いバレー漫画。必読。