大山倍達、世界制覇の道(大山倍達)

大山倍達(崔永宜or崔倍達)の自画自賛本。大山倍達が、いわゆる在日であったことを考えると、作中で繰り返し出てくる「大和魂」「武士道」「日本人の誇り」と言う単語に引っかかる。この作品の中にも、他の作品の中にも大山倍達が在日だとの描写はどこにもない。ソウル生まれで終戦時17才だったとのことなので、生まれた時から日本国籍で、日本人としての教育も受けていたのだろう。そして、戦後も彼は日本人として生きることを選んだ。
現在、韓国では、崔倍達を主人公にした映画『風のファイター』が公開中であり、来年あたりには日本でも公開されるだろう。
作品の内容はまさに倍達万歳(マンセー)。どうせゴーストライターが書いていたのだろうが、連戦連勝の描写は眉唾物だ。
在日のアイデンティティーとその表現についてはいろいろ考えさせられる。

大山倍達、世界制覇の道 (角川文庫)

大山倍達、世界制覇の道 (角川文庫)