Goodwill

日本の道路は、情報過多だ。
すでに潰れた店の看板まで乱立し、垂れ幕やのぼり旗で説教される。交通標語は、田舎のチャイムや放送と同じくらい不躾で無遠慮で押しつけがましく、景観に対する配慮に欠ける。しかも、好意で作成されているのだから、救いようがない。
それら、道路脇に林立する馬鹿げたものの一つに、警官の人形あるいは看板がある。十年一日、同じところに立っていて、何かの意味があるのだろうか。まったくもって、運転者を馬鹿にしている。しかし、今日、それよりも馬鹿げたものを見た。
それは、小学校正門前の横断歩道脇に立てられた、手を挙げた子供の人形である。
何を考えて、これを作ったのか。道路交通法では、横断しようとした歩行者を見つけた運転者は、停車しなければならない。しかし、この人形を歩行者と誤認した者が停車したら、単なる交通の阻害である。邪魔で景観を損ねるだけでなく、交通の円滑化を妨げる。しかも、設置してからすでにかなりの歳月が経っているだろうに、誰も撤去しない。
これもPTA役員とか、地元商店街とか、ライオンズクラブの人によって、好意で作成されたのだろう。全くもって、馬鹿の好意は救いようがない。