Jukharai

会社に新しくアルバイトを雇った。
27歳ネパール人留学生なヤツ。
こないだ、焼肉屋でカルビをがっついていたくせに「食べられないものは?」と聞くと、「ほんとは牛肉がダメ(ヒンドゥーだから)」と言うヤツ。
17歳の時には日本人の障害者を介護しながらアジアを一年弱旅行していたヤツ。
日本人にだまされたことがあると微笑むヤツ。
国ではエリートであり、日本でも苦学の末国立大学工学部に入学したのに、アルバイトは土方や新聞配達でしか雇って貰えなかったと笑うヤツ。
差別の現実を常に実感しながら、それを受け入れざるを得ないヤツ。
それでも日本に来て学べている自分は凄く幸せ者だと感謝しているヤツ。
腰も低く、頭も良く、ちょっとお調子者だけど愉快なヤツ。
そんな彼と話していると、先進国に生まれた自分、後進国に生まれた彼との差について考える。
一長一短とは言えず、百長一短くらいの関係。
平等なんてない世の中で、自分の価値観の基準、幸福の設定をどうするべきか考える。