Requirement

「要求事項の明確化」は顧客満足度向上のための第一歩である。顧客要求事項を掴み損ねると、どんなに努力をしても顧客に満足を与えるのは難しい。経営、品質管理で一般的なこの言葉は主に受注側の視点で語られる。しかし、これを逆から考えるとどうだろう。
すなわち、顧客自身が自分の要求事項を明確化することにより、自分の満足度を容易に向上させられると言うことではないだろうか。また、そうすることにより受注側、顧客側共に手戻りを減少させ、時間・金銭などのコストを縮減することが出来る。「俺様要求事項の明確化」は、利己主義的な行為ではなく、己と共に他をも利する行為だと言える。
ひるがえって、私生活にこれを応用してみるとどうなるだろうか。「彼(彼女)が私の意を汲んでくれない」的な愚痴を良く耳にする。この愚痴は相手の受信能力、目的達成能力の不足を嘆くものだが、果たして、己に咎はないだろうか。「俺様要求事項」を相手に伝える努力に抜かりはなかっただろうか。「言わずともがな」で相手に伝わっていれば良いのだが、それが上手く行っていないからこそストレスを溜めているのではないだろうか。謙譲は、行動規範や価値基準を共有出来る相手だけに通じる美徳である。個性が尊ばれ、生活様式の多様化が進む現代社会において、表現力の不足は致命的な欠点だと言う事を認識すべきである。
繰り返す。
「俺様要求事項の明確化」は、利己主義的な行為ではなく、己と共に他をも利する行為だと言えるのではないだろうか。