Cendrillon

yano_zeon2006-05-19

シンデレラ症候群(Cinderella syndrome)をご存じだろうか。「いつか白馬の王子様が迎えに来る」との乙女心を指す心理学、社会学用語である。夢見がちで他力本願な性質の代名詞にされてしまっているシンデレラだが、童話をちゃんと読んでみると違う印象を受け取る。

  1. シンデレラは器量も性格も良く勤勉であった(実力)
  2. 魔法使いがその優しさに感動(協力してくれる人脈)
  3. 一時的にとは言えカボチャの馬車や綺麗なドレスを得た(外見上の優位性)
  4. 舞踏会に参加した(自分をアピールする場所へと赴く)
  5. 王子に出会う(チャンスの獲得)
  6. 王子様に見初められた(自己表現の成功)
  7. ガラスの靴で出会いを次につなげた(関係継続の努力)

すなわち、魅力的な人間としての実力を有し、協力者を得て、外見上の優位性を獲得し、それをアピールする場に赴いて、わずかなチャンスを逃さずに自己表現をなしえ、次につなげたのである。確かにシンデレラは受け身ではあるが、幸運だけで王子様が迎えに来たのではないことが分かる。モテモテの王子様には人を見る目があるんだから、ただ待っているだけの凡人にわざわざ求婚なんてしない。
男女関係に限らず、人間関係はなべてそんなものではないだろうか。不満だらけの世の中で愚痴をこぼし、「どっかにいい女(男)居ないかなあ」「いい仕事ないかなあ」「面白いことないかなあ」と言いたくなるが、待っているだけでは白馬の王子様もいい男(女)もいい仕事も面白いこともやってこない。幸運を呼び入れるのにも、来た幸運を掴みとるのにも、その幸運をつなぎ止めるのにも、実力と意欲が必要なのである。
そして、その実力を有さない凡人は実力の向上につとめなければなるまい。その実力とは、容姿、体力、技術、教養、人格、対人コミュニケーションなど様々な力の総合力であり、これら様々な力のどこを向上させるか、その選択と集中が肝要である。常に自分を磨いていきたいのだが、はてさてどんな方面に注力すべきか悩んでしまう。

余談だが、以下のURLはシンデレラの別解釈版。
http://www.cmo.jp/users/nematoda/cendrillon1.html
これはこれで面白い。ちなみにシンデレラは英語読みで、原語である仏語ではサンドリヨン(Cendrillon)。