Challenger

うちの会社の給料は20日締めの25日払い。
締日である昨日、残業時間を集計してみると計170時間。うち、休日出勤および深夜残業が約半分。
21日ある通常出勤日全て17時30分〜22時まで残業しても残業時間は94.5時間にしかならないことを考えると、いやはやなんとも。

そんな中、残業している上司や同僚を尻目に19時30分頃に仕事をあがり、NDAJリーグ静岡の戦いに参加した。

リーグ戦の最終戦のみを残し、我がチーム「鷹の目」は、6勝1敗、勝ち点67でリーグ5チーム中首位を走っている。
終戦で対するチーム「デジ団☆限界突破」は5勝2敗、勝ち点62の2位であり、最終戦の結果によってどちらにも優勝の可能性がある。
勝ち点でリードしている我がチームは、1試合13ゲーム中6ゲーム以上勝てば優勝決定。
4ゲーム以下の場合は優勝出来ず、5ゲームの場合はドローで、更にサドンデスの1試合13ゲームを行う。
戦力補強したデジ団は後半戦で強さを発揮しており、前試合2勝11敗と大敗した我がチームよりも勢いづいている。
追われる立場としては、「13ゲーム中5試合勝てば」との条件でも全く優位を感じない。

仁義なき戦い 広島死闘編』の台詞

  • 「兄貴よ、追われる者より追う者の方が強いんじゃけんのー。これだけは、よーく覚えちょってくだせい」

を思い出す。

とは言え、我がチームはそんなことを重々承知した上で、勝つ気満々である。
全試合皆勤のBRSキャプテン、アイポン、ミッケ君、詠子ちゃんはもとより、K-TR氏も仕事をほっぽって嫁まで連れて来ているし、私同様に仕事の忙しい影もわざわざ浜松から参戦しに来ている。
仕事が忙しく、度々遅刻や欠席してきた私よりも、頼りになる仲間達。
ここまで来れば気力の勝負であり、「勝ちたい」との意欲の強いチームが勝つ。

さて、試合の詳細な過程は他の人達の日記を参照して貰うこととして、自分の試合のみについて書く。

私の出場は13ゲーム中2ゲーム。
1ゲーム目は愛弟子、影と組んでクリケットのダブルス。
影とは長く共に矢っているが、練習でも対戦でも試合でもダブルスを組んだ覚えはほとんどない。
とは言え、いつも対戦したり、共に強敵と戦っている間柄であるから、互いの腕、戦略、メンタルについて熟知しており、チームワークが悪いとは思えない。
相手はデジ団のキャプテン+エースの一人。
戦力的にはほぼ互角。
試合の展開は、一進一退の中、ブル以外を全てこちらが閉めた時点で約20P差。
プッシュする間もなく、クリケットナンバーを全てカットされ、ブル勝負。そして、私、影共にブルにまったく照準が合わず、あと1本で勝ちのとこまでは行けたのだが、相手にブルプッシュされ、惜敗。
個人的には2.27マークと悪くなく、影もそんなに悪くなかったのだから、相手の健闘を讃えるべきなのだろうが、負けは負けである。

凹みつつも、一進一退で試合は進行して行く。

13ゲーム中9ゲーム終わった時点で、4勝5敗。我がチームは前半戦で勝負を決めるつもりでオーダーを組んでいたのだから、ここでリードしていなければまずい。
次の試合はCC〜Bフライトを行き来しているBRSキャプテンの501、その次がBフライトである私のクリケット、最終2試合はトリプルエースの一人、Aフライト直前で足踏みしているBBフライトのミッケ君。
相手チームは最終2試合にAAフライトのエースを置いているから、そこまで行く前にせめて一勝して、ドローを確保しておきたい。

前回、自分に勝利を決める試合が回って来そうだった時には内心「俺まで回さないように負けてくれ」とチームメイトの負けを願ったものだが、今回は素直にチームメイトの勝ちを願っている。
前回と違い

  • 「後がない優勝決定戦であること」
  • 「私の後にまだ2ゲームあること」
  • 「自分に自信が付いたこと」

が理由である。
この「自分に自信が付いたこと」がレベルアップの証か。

ここでBRSキャプテン、接戦の中、最終ラウンドはBull-15Tでアウトし、501を勝利。
これで我がチームの負けはなくなった。
あとは勝利を掴むのみ。
またも大一番が回ってきてしまったが、もう泣き言は言わない。
チームのみんなが懸命に繋いできたタスキを握りしめ、目の前の敵を倒すだけ。

私の対戦相手は前回のリーグ戦でも対戦したし、何度か野試合で対戦したことのあるチェン君。
同じBフライトではあるが、ライブレイティングは私を1以上上回る。
内心極度に緊張しつつも、それを対戦相手に悟られないように、「いやー、また美味しいとこ貰っちゃって良いの!?」とにこやかに余裕のあるふり。
嘘でも笑顔を作りいきがっていれば、少しは自分をだまして緊張から脱出出来るかと思ったが、練習投で狙いが20cmくらいずれており、グルーピングもしない。
緊張が取れないままコークで敗れ、後攻で試合スタート。
1ラウンド目、チェン君はノーマーク。
チャンスのはずが私もノーマーク。
2ラウンド目、チェン君も私も1マーク。
二人とも緊張しており、更に相手の緊張が自分にも伝わって来るため、相乗効果的に緊張が高まっていくノーカウントスパイラル。
ボーリングで言えばガーター連続、野球で言えばワイルドピッチ連続、バレーや卓球、テニスで言えばサーブが入らない状態で試合になってない。
この先しばらくはあまり記憶が鮮明ではない。
二人とも極度に緊張しておりしょぼしょぼで、見かねたチームメイトが私のほほにビンタを張ったり「ジークジオン!」の合唱で応援してくれたりしたのを覚えているくらい。
気が付くと、10ラウンドを過ぎ、チェン君が20、19、18、17を開けている状態で私はどこも開けておらず、50点以上リードされている。
前半で5本入っていなかったから、マーク数は0.5以下。
中学野球なら負け側にトラウマを残さないため、コールドゲームになっている展開。
チームメイトに後からこの時の心境を聞いてみると、「完全な負け試合でみんなため息しか出なかったけど、とりあえず、声援だけは送っていた」状態らしい。

ここで開き直った。
センターコート、全員が見守る中、
「来た、これが逆境だ!!」
と『逆境ナイン島本和彦)』の台詞を叫んだんだけど、誰も知らないんだろうなあ。
追われる者より追う者の方が強いんだ。
16、15が残っており、セオリー的には16を攻めるところだが、あえて得意な15を狙う。
7カウントで相手の点数をリード。
チェン君はセオリー通り、開いている20でプッシュを狙ってくるが入らず。
泥仕合、ノーガード殴り合いに付き合う必要はないのだから、素直に15、16をカットしてから得点すればいいのに、20や19、17でプッシュを狙ってくる。
リードしていた展開から点数上は逆転され、しかも開きナンバーも多いし、カットの選択肢もあるしで混乱していたようで、ダーツが乱れ、それでもキャッチが入らない程度には収束すると言う泥沼にはまっている様子。
私は勿論、カットに行かず、延々と15プッシュで点差を広げていく。
良く覚えていないが、沢山トリプルにねじ込んだ気がする。
見かねたチェン君が点数で負けつつ15をカットに来ても15プッシュを続け、カットされたら、次ラウンドの第一投は16トリプル。
私の得点源は16だけ、チェン君の得点源は20、19、18、17と4箇所も有り、どう考えてもまだ負け試合なのだが、開き直った私は延々と16Tに叩き込む、叩き込む。
結果、最終20ラウンド開始時点で私が400点以上得点しており、先攻のチェン君がTON80を出さねば勝てない状態に。
チェン君の一投目が20Tを外れ、1に入った時点で勝利確定。
後攻でだめ押しの16プッシュをして試合終了。
終わって見れば、2.0マーク。
10ラウンド以降は3.5マーク以上あったことになる。

結局、我がチームはこの試合を6ゲームしか取れず落としたものの、全試合通せば6勝2敗、勝ち点73、首位でリーグ戦を終了した。

「あきらめない心」が大切なのは良く分かったけど、次からは「リードされない展開」に持ち込みたいものだ。

  • P.S.1

終わってみれば、デジ団との勝ち点差はわずか2。
今までのどの戦いのどのゲームを落としていても優勝はなかったわけだから、まさに皆で掴んだ勝利。

  • P.S.2

試合終了後のデジ団、特にチェン君は我々の大盛り上がりの裏返しとして大分凹んでた。
「勝敗は武将の常」「光有る処、影有り」と言うことなんだろうが、私にはかける言葉がなかった。
でも、試合中、敵である私やチームメイトに本気で心から「ナイスダーツ」「惜しい!!」と声をかけてくれたデジ団の皆さんはまぎれもなく、強敵(とも)です。

  • P.S.3

勝利決定後のミッケ君の2試合、私は放心した状態で見ていたのだが、AAフライト相手にベッド合戦で惜敗。
まさにナイスファイト。
きっと私が負けていたとしても、それに奮起してミッケ君が勝利を勝ち取っていたことだろう。

  • P.S.4

試合後の祝勝会でK-TRとチームエースの座をかけて対戦し勝利した。
これでエースは私ですなw

  • P.S.5

負ければここで終わりだったのだが、勝ったのでDivision R を制したBASTOSとの決勝戦がある。
それに勝てば全国大会。
それにも勝てば、香港での世界大会らしい...
しかし、決勝戦が12月25日ってどうよ?
みんな、彼女とか大丈夫なのw?