Old friend

永らく音信不通だった大学の同級生である某君から「偶然、このサイトを発見したので」とのメールが来た。特に個人情報を隠蔽しようともしていないが、露骨には出していないはずなのに、私だと特定されてしまうのね。
彼は、大学を中退した後、大学の所在地で公務員となって、今では8歳女子と、0歳男子の父だと言う。彼の実家と大学所在地とは1000kmくらい離れているのに、彼がまだそこに居るのに吃驚した。大学時代には授業には出ず、サークル活動とバイトにはまっており、いつも二日酔いで青白い顔をしていた彼だったのに、今では公務員だと言うのも意外だ。
思えば、最初に読んだ村上春樹作品は彼から借りた『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』だった。それで村上春樹は面白いと思ったのだが、その後に読んだのは皆『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』に劣る。彼のお薦めが適切だったのだが、他の作品でそれを越えるカタルシスを味わえないのが寂しい。授業では全然合わなかったけど、映画や音楽についても、彼といつも熱く語り合ったものだ。
「面白いヤツだけどダメ学生」だった彼が堅実な社会人になっていることに驚きつつも、何となく寂しい。無責任な同級生の立場からは、無頼派で居てくれた方が面白かった。
また、一緒に飲みに行きたいものである。