Salinity

「なんで海の水はしょっぱいの?」
前ふりもなく、某嬢からこんなメールが届いた。
学部で海洋地質学を専攻していた私としても、非常に答えにくい質問である。
「海水には、約3.5%の濃度で塩(塩化ナトリウム:NaCl)が入ってるから」
きっと彼女はこんな解答を求めていないだろう。
「そんくらい分かってるよ!!」と理不尽にも憤る顔が目に浮かぶ。
でも、海の水がしょっぱいことに理由はないんだよ。
「しょっぱい」と言う事実があるだけ。解釈の余地は無い。
「塩(塩化ナトリウム:NaCl)は地球上に多く存在する物質であり、水に良く溶ける。そして、陸域から溶出した塩水が海に注ぎ込み、海域では水分が蒸発して、それが陸域に降雨する。これを繰り返すことにより、海水に塩分が濃集し、現在のような塩分濃度にまで高まった」
と言うのは、塩分濃集システムに対する解説だが、海水がしょっぱい理由にはならない。
で、困ったあげく、『潮吹き臼*1』を思い出し、
「海の底で臼がずっと塩を出してるからだよ」とメールした。
いまだ、彼女からの返事はない。