Full stop

『クーデタークラブ(松本光司)』を単行本でまとめ読みしたら、最終巻の背表紙に「完結」と明記されていた。
今まで何回古本屋の「完結」セットパックに騙されたことだろう。何回漫画喫茶での欠巻に泣かされたことだろう。法律で全ての刊行本に完結表示を義務付けて欲しい。
しかし、完結したかどうか曖昧な本も多い。
拳児松田隆智/藤原芳秀)』の場合は、20巻までが本編で、21巻は外伝だ。この場合はどちらに完結表示するべきか。
また、著者に続刊の意志が無い場合には未完であっても「完結」と表示してほしい。『サードガール(西村しのぶ)』なんか、時事風俗が多いから今更書き足せないでしょ。『軽井沢シンドロームたがみよしひさ)』や最近の二世物の様に、次世代を主役にすればいけるかも知れないけど。
ゲド戦記(アースュラ・K・ル・グイン)』三部作の様にもう完結していると誰もが思っているものでも、いきなり続刊が出て四部作になってしまったものもあるし、未刊作の多い夢枕莫でさえ、キマイラ吼シリーズの新刊が出た。続刊の意志があるかどうかの確認は困難かも知れない。
絶筆した場合はどうか。
ブラックジャック手塚治虫)』や『グリンゴ手塚治虫)』などは書き足される可能性がほとんどないから、完結表示して欲しい。しかし、最近では『ホテル(石ノ森章太郎)』や『まぐろ土佐船(青柳祐介)』の様に、作者逝去後も連載が続けられることがある。『警察署長(たかもちげん)』の様に明らかに絵柄が違う場合もあるが、ほとんど変わらぬ絵柄で連載続行される場合は、もともとアシスタントがほとんど書いていたのか(^^)。絶筆後のリリーフ続行の場合は早々にきりを良くして完結させて欲しいものだ。『サイボーグ009石ノ森章太郎)』なんて、もうあきらめていたのに、遺稿や遺志をもとに完結させるプロジェクトがあるらしい。下手なことはして欲しくないとも思うが、別物として楽しめればいいか。この場合は旧作の絶筆時点で完結表示してもいいだろう。
上に挙げた例は少数派なので、大多数の普通の作品には、完結表示をしてもらいたい。