Stock-out

無責任な客の立場から言わせて貰うと、営業日、営業時間内の飲食店には、メニュー通りのものを提供する責任と義務が有ると思う。
客の入りを予測し、無駄なく仕入れ、仕込むのが困難だということは理解している。そして、商売的にも、職人的にも、倫理的にも、食材を無駄にしたくない気持ちがあることも承知している。
しかし、だからと言って、余剰食材のリスクを客側に負担させる姿勢はいかがなものかと思う。
客は、定休日、営業時間、メニューを信用して店に赴く。しかし、食べたいメニューが品切れでは、店が張った「仕込み」と言うギャンブルの負けを、客の時間・労力で支払わされる様な物だ。店が張るギャンブルの掛金は、店が支払うべきだと思う。自分の責任で自分のリスクを負担することが誠意ではないだろうか。
それに、少しくらいのロスがあったとしても、欠品を無くす方が、店の好感度上昇につながり、長期的には店の利益になる。客側にとって、欠品は不利益にしかならない。
と言う話とは直接関係ないのだが、飲食店で、品切れにあった場合、無茶苦茶残念がることにしている。
「じゃあ、アジの刺身を」
「すいません、今日、アジ切れちゃったんです」
「えーっ、ここのアジが食べたくてわざわざ来たのに!!」
って感じで。
品切れのはずだったイタリアン・シュー・ロールを一つだけ都合して貰ったり、生春巻きが出たり(時間はかかったのだが)、デザートをサービスして貰えたりもするが、それが目的ではない。

  • 店主に、ファンが居ることを認識して欲しい
  • 店側との会話の糸口にしたい
  • 店主に、欠品を恥じて欲しい
  • 店員の娘さんの困った顔を見るのが楽しい

そんな思いが入り混じっている。
今日の夜は、ヤサカに行った。鉄工所の敷地内に有る不思議な空間。看板に電気はついていないのだが、店内に灯りがともっている。
「いいですか」
「すいません、今日は定休日なんですよ」
「えー、そうなんですか…」
「遠くからわざわざいらしたの?」
「ええ、沼津から」
「それじゃあ…私たちも今から食事にするんだけど、ご一緒にいかが?」
なんて感じになってしまった。美味しゅうございました。